東日本大震災における自治体サイトの情報発信実態調査概要

「東日本大震災」におきまして、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、大地震と津波による被害、さらに原子力発電所事故により計画停電が行われるなど、これまで日本が経験したことのない非常事態となりました。
直接の被災地ではなかった東京都においても、計画停電により生活への多大な影響がありました。

このページは、地震発生からその後約1ヶ月間において、都内の各自治体がホームページでどのように情報発信をしていったかを記録したレポートです。


情報公開の目的

株式会社セルコでは数多くの公共団体サイト制作に関わっています。 今回の震災に対し、弊社でも社会貢献として身近な自治体の掲載状況を調査し、緊急時における情報発信状況を考えるために調査結果を公開することとしました。 今後の自治体ホームページの在り方に向けてこの資料を役立てていただけると幸いです。


震災情報発信状況

有事の際、自治体は状況を素早く正確に発信していく義務があります。

今回は地震発生当日から翌日にかけて、約8割の都内自治体がサイト上で震災情報を発信しました。
多くの自治体が通常とは異なる特別なかたちで情報提供し目立つ配慮を施していたことがうかがえます。 トップページをテキストベースの災害時専用ページに切替え速やかに表示させるなど、サイトごとに様々な工夫が見られました。
発信状況の件数や表示方法の割合は、「資料:グラフで見る変化」にてご覧下さい。


評価

災害情報の掲載方法は、非常時の発信体制が準備されていたか否かという点で自治体ごとに大きな差が出ました。
災害規模が大きければ大きいほど迅速なWeb発信が求められます。即時更新機能や災害発信機能がシステム導入されていると思われる自治体においては情報更新が頻繁に行われていました。
災害後間もない折から情報を分類化し、ガスメーターの復帰方法や交通情報まできめ細かい対応をしていた自治体サイトがあった一方で、週が明けてもどこに震災情報が載っているか見つけにくいサイトがあるなど、同じ都内でも情報サービスのかたちは様々でした。
今回の結果を一覧すると、各自治体の運営体制、危機管理意識が大きく異なることがわかります。
各自治体の情報発信画面は「震災当日から翌日の対応」一覧よりご覧下さい。


今後の対応

震災を契機にTwitterを開始するケースも多く見られました。 特に計画停電の影響を大きく受けた市部などでは、二転三転した停電情報をTwitterを通していち早く伝える自治体もありました。 即時性という点では各種SNSはとても有用です。リスク管理に向けたシステム強化とともにこのようなサービスをうまく活用することで、より幅広い情報提供をすることが可能となります。
また、停電や避難時、徒歩帰宅での移動時に威力を発するスマートフォンやタブレット端末に対して、その特色を活かしたサービス提供を行っていくことも重要です。